スカンディックトレーニング No.5
BLOG お知らせクリーニング予防歯科口腔と健康皆さんこんにちは!歯科衛生士の一之瀬です。
前回に引き続き今回もフィンランドの子育て支援についてお話しさせていただきます。
フィンランドでは出産前に母親手当として社会保険庁から「育児パッケージ」もしくは1人の子どもに対し、170ユーロの現金が支給されます。
「育児パッケージ」は毎年4万世帯に配布され、中身はベビーケアアイテムやベビー服など約60点が入っています。この「育児パッケージ」の箱自体も赤ちゃんの最初のベッドとして利用でき、セットでマットレスや羽毛布団がついています。これはフィンランドでは生まれてくる子ども全員への社会からの分け隔てのない祝福と歓迎のシンボルだそうです。
ここからはネウボラの保健師さんや歯科衛生士からの口腔衛生指導の内容についてご紹介させていただきます。
《妊娠中のお母さんへの口腔指導》
①フッ素入り歯磨き粉の使用
②フッ素用品(含嗽剤、ジェル)やキシリトール成品(ガム、タブレット)の推奨
・妊娠中のホルモンバランス変化により口腔内PH(ペーハー)が変化しやすい.また口腔内が乾燥しやすくなることがあるため.
・つわりのため頻回に飲食を繰り返すため.
③食生活・栄養摂取の指導(規則正しい食事リズム、つまみ食いや間食を避ける)
[良い食べ物] 野菜、果物、ベリー類、全粒穀類、魚
[悪い食べ物] ハードオイル(バター、チーズ、ケーキ) 砂糖、塩、生魚、生肉、寿司
[妊娠中に食べないほうが良いもの]
リコリス、サルシアッキ(リコリスが入っているお菓子)
北欧独特のお菓子でリコリスはフィンランドではハーブの一種だそうです。
《乳児への口腔指導》
①ミュータンス菌(虫歯菌)の感染を防ぐ
②母乳育児→人口哺乳瓶ではなく母乳にすることで口周りの筋肉の発達を促進させる
③6ヶ月を過ぎたらおしゃぶりをやめる
その後成長に合わせてネウボラでの定期健診時には以下のようなことをインタビューしているそうです。
・1日に何回歯磨きしているか
・のどが渇いたときには何を飲んでいるか
・おしゃぶりをしていないか(生後6ヶ月以降)
・キシリトール製剤やフッ素の使用状況
キシリトールガムは100%のものを2錠/回 5回/日(食事前後)
・卒乳は任意で(母乳が出る限りはOKとする)
北欧フィンランドならではの対策として気候的に日照時間が短く、太陽光も浴びる時間が少ないために乳幼児から「ビタミンD」のサプリメント摂取を推奨しているそうです。
これまで2回に渡って「ネウボラ-フィンランドの育児環境、国の政策」についてご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか。
所変われば人、環境が変わるのは当たり前かもしれませんが私はネウボラを通してフィンランドが国全体で子どもや子育ての環境を大切にしていると実感しました。
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